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再生



※この物語には、特殊な表現技法が用いられております。

このような擬人法についてきちんと理解をしたい方は、DMMオンラインゲーム「艦これ」をお試し下さい。
一部実話のような話が混在しますが、フィクションということで。

2013年某月某日 於 スタッフオン 粉川板金ドック8番ブース

艦長「直前に溶接補修までしていただいたのに、こんな姿でおめおめと戻って参りました。」
ドック
長「無事で何よりやないの。まあ、ゆっくりしィ。」

戦艦大痛は、一事抹消登録、軍籍から除かれ、解体を待つ身となっていた。
私の戦闘航海は、ひょんな事から大きく報じられ、世の多くのネットユーザーの知るところとなり、
うっかり掲載した動画はプチ炎上、体をはったネタ人生に、私は疲れきっていた。
最早ラリーどころではないのだが、処分まで暫く艦を預ける事となるドック長に、社交辞令的に問うてみた。

艦長「ドック長、一応伺いますが、これ、治りますかね?」
ドック長「治るよ。エンジンだけ降ろしてくれたら。これは柔らかいでなぁ。右へ5センチ程歪んでいるけど、まぁ治るにィ」

治るんだ!(驚愕)

確かに一晩で復帰した某トップドライバーさんのマシンと比べて同程度か、それよりも
やや軽い状態とは言える。それにしても、一言とは、プロは恐ろしい。艦長はあぶら汗をかいた。
戦闘中とは言え、艦を沈めた責任は重い。このまま自身も予備役編入、この後は
自宅に引き篭もり、DMMの「艦これ」の提督として、ネトゲ廃人となって余生を過すつもりでいたのだ。
中途半端に修理可能だなどと知れたら、それこそどんなヤブヘビをつつき出すかわからない。
伊達と酔狂でラリーを戦うプライベートチーム、スタッフオンの整備班長連中は、あの翌日から
「次の艦」を探し始めていたくらいなのだ。

ドック長「フロントフェンダー、ボンネット、ウインドウ、灯火一式、まあ気長に部品を探してなァ」

治す気か!?(ガクガクブルブル)


艦長は後ずさりしながらドックを離れた。だめだ、このままでは、また戦場に放り出されてしまう。
それは家計崩壊、家族崩壊まで行きかねない、修羅の道…

その数日後 於 友軍 スバル蒼い軍団 菰野基地

艦長「そうなんですよ。動画なんてうっかりアップしたら、アクセスがえらい事になってまして…」
F指令官「ええやん、これ。よう踏めててかっこええよ。ヤジ言うやつはどこにもおるからなぁ」
艦長「下手くそ、とか言われちゃって。そりゃ上手けりゃまぁ刺さりませんからね。
ほかにも、カウンターが遅いとか。一応はSタイヤ装着の4WDですからねぇ。
ドリフトしにきてたわけでもないし。ステアリングワークの速さは自他共に定評があったんですがねぇ。」
F指令「それはそうと、貴官もこれで引退かね?これからはラリーメイク一本で行くのかな?」
艦長「はぁ、そのつもりですが、整備班を中心に、戦闘継続の声が高くって。
でも、まぁ、大破ですから。部品も本体も、エンジンもありませんから。フネが無ければ無理ですよ。」
F指令「フネならあるぞ。それ、持って行っていいよ。勿論、タダで。」

な・ん・で・す・と!?

F指令「まぁ、昔乗っていたやつで、もう5年は火が入っていないけど、ちゃんと2名乗車。
初期型だけど、エンジンはリビルト品で、いくらも走っていないから、いけるんちゃうかな。
とにかく、まぁ、こっちへ。」

艦長「いや、あの、困ります… 私にも家庭と人生が…」

本気で後ずさりする艦長を引きずって、F指令は近所のビニールハウスに案内してくれた。

F指令「見ての通りだけど、フロントフェンダー、ボンネット、ウインドウ、灯火一式、エンジンはOK。
移設するなり、これをおこすなり、まあ、好きなように。これ、鍵ね、はい。」



なんだこの、ありえない痛い展開は!

こんなもの受け取ってしまっては、また週末毎に、エンジンを2基降ろして積替えて、
ミッションやらデフやらも移設して、ロールバーも移設して… て、やってられないって!

いや、じゃあさかさまに、大痛のフロントをAピラー前で切断して、これと合体させて…

いやいや、だから、そうじゃない。

大痛は解体されて、部品となってヤフオクに流出、目出度く
我が家のお正月の生活費にまわるはずだったじゃあないか。
今年のおせちは豪華になるぞぉっ、て、子供たちに約束したじゃあないか…

一人頭をかかえているところに、携帯電話が鳴り響いた。

着信 整備班長

なんという嗅覚!!!

軍を離脱するしかない。しかし、見つかれば銃殺。家族と生活と「艦これ」ライフを楽しむには
最早国外逃亡しかあるまい… どうなる、俺???

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