空



第四話 柿色のミラージュ

 で、体験したこと。

1 全タイヤバースト。
自動車部でもらった解体車の、つるつるタイヤ付アルミホイールを
嬉しがって装着。走行中に順番にバースト。
左前が破裂したときは左の側溝に墜落。
右前が破裂したときは23号線を蛇行。
左後ろ、右後ろの時は特に気にならず。
パンクごときで驚かない度胸を身につける。

2 転倒
六甲山下り、右のヘアピンへの進入時、オーバースピードで対向レーンに。右前を縁石にあて、そこを支点に右前回り受身。坂がきつかったことと、勢いが死んでスローモーションだったことなどが原因かと思われるが
ミラーが割れてフェンダーとルーフがへこんだくらいでほぼ無傷。
くるっと回ってショートカットした形に。心臓はとびでたが
めげずに走り去った。

3 初キップ
夜の大阪の街。実家へと例によって全開走行中パトカーに追われる。
相当長く無視して走ったために警察官がぶちきれ。
「そこの赤い車、止まれ!止まらんか〜ワレ!」
この大阪弁で気が付いて停車。
「000キロ出したきゃ高速にのれ!ぼけ!」
と怒られた。なぜか車線違反の切符で済ましてくれた。
速度違反を切られていたらおそらく免許はなかった。

4 オーバーヒート
この話はすごい。
水もオイルも何にも替えずに約一年走り続けて、知らない間に
ヘッドガスケットがとんで慢性のオーバーヒート状態に。
水をたしてもたしてもすぐに空。しかも渋滞にはまって止まっていると
エンジンルームでリザーバータンクが爆発!ボンネットの隙間から
さび色の水で噴水に。
しかしまるで動揺することなく路肩に止めて、用意の水を
ラジエターへ注入。
この状態でまだ普通に乗りつづけていた私。
自分も三菱も尋常ではなかった。

5 四点式ベルト、小径ハンドル装着
先輩にもらった四点式安全ベルトを取り付け、ディスカウントショップで
購入した聞いたこともないメーカーのハンドルを装着。
これにより、そうでなくても重かったハンドルはいっそう重く
不安定になり、またベルトも、左バックルが破損していたため、
ベルトキャッチに縛って使用。
本人は大満足で走りに喝が入ったが、
今思い出すとただ危険度だけが増していた。

6 初モータースポーツ、クラブ内ダートラでつかの間の一位
山室山のダートコースをはじめて走らせてもらった。
いきなりメットもかぶらずグローブもせずに出走。(証拠写真あり)
先日モーターランドでやってどしかられたが、この頃から進歩なし。
無改造、ノーマルつるつるタイヤで、同期12人のダートラ車
(KP61とか110サニーとか、わかるかな〜)をちぎってしまう。
アクセルふみっぱなし、カーブは全てサイドターンという
いかれた運転の賜物。
ただ、同期の猛反発を買い、結果は同期内4位だったかな。
ダートの面白さに目覚めた。

7 雪中名阪国道牽引時速000キロ
同期連中と神戸まで遠征。現地で2台故障。
自分ともう一人がそれぞれ牽引。
ミラージュとサニーでKPを一台ずつ。
サニーのドライバーが私よりもいかれた男で雪の舞う名阪を
時速000キロでKPを牽引。
負けず嫌いの私も競い合って走行。
大学まで帰り着いたのが今でも不思議。

旅行、練習、クラッシュ、修理の思い出などは書ききれない。
EM2にパッドを替えてもらったのも良い思い出。
ボンネットは自分で塗装。解体屋に出したとき
着いたとたんにラジエターキャップが飛んだのを覚えている。
いまさらながら、「始まりは三菱車」だったのだ、、、

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第五話 ヤンキー魂


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